耳をすませば

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://etc4.2ch.net/test/read.cgi/motenai/1131771534/185
を読んで。ARTIFACT@ハテナ系さんより知りました。



耳をすませばには悪意というものが全く存在しない。主人公は夢に、恋に、進路に悩むが、そこに悪意は介在していない。美しく描かれた風景の中、主人公月島雫はピュアな精神をもって悪意無き世界を生きる。


全く描かれない悪意と、出てくる人間はみんなピュア。ありえねーとしか言いようが無いラスト。本当にありえねー映画なんです。判ってる。だけれども(だからこそ)僕はこの映画が好きなんです。だけれど『『耳をすませば』を観て自殺 』なんて書かれたら(意味はいまいち把握しかねてますが)何か書こうと思うわけです。

「いいなあこんな学生生活」
「これが本来あるべき学生生活だったんだ」
「すると俺の学生生活ってなんだったんだろう」
 

少しは思いますよ。確かに。でも耳をすませばを見なくても、飲み会の2次会での可愛い子の昔話だとか、街で流れるお洒落な流行歌なんかに影響されて、上手い具合に僕の過去は、美化、編集されてます。ヒョウタンツギが居ようが居まいがそんな深いことは関係無しに。悲しいことかもしれないけれど。そんな意味では確かに残酷なのかもしれない。でもそんなのにへこんでたらキリがない。悲しいけれど、美化したらいいじゃあないですか。それでもって素敵な出来事を待とう。まあ、リアルな過去を振り返ることも必要とは思うけれども。


この映画は、何一つ救いがない映画ですよ。
 

救いというか、可能性が有ります。劇中に歌われるカントリーロードは劇中の街を発して何処へつながっているのか。もしかしたら自分の生きてるこの世界も耳をすませばのような悪意の無い世界と繋がっているとしたならば、それは素敵なことではないか。映画ってそう思わせてくれるものじゃあないんですか。海の向こうではろくでもない戦争が繰り広げられててどうにも悲しい。貞子が家のテレビから出てくんじゃあねえの?空から彗星が降ってくるんじゃあねえの?どこかに恐竜だらけの島があるかもしんねえべ。
そんな感じで僕は思うんです。悪意無き世界で素敵に過ごす人達が居たならば素敵なことだし、もしかしたらそんな世界と僕の世界も繋がってるのではないか。なんて。*1それなら明日もそこそこ頑張れそうやなあ。なんて。
悪意無き世界なんてありえないなんて思ってる。だけれどもそんな世界がどこぞに在ればいいなあなんて思ってる。僕も変に矛盾してあんまり意見が言えないんだけれど、それでも僕はこの映画は好きです。とても。

*1:元々ジブリは可能性を感じさせる作品がとても多く思います。あの大きな雲の中にはラピュタがあるかもしれない。向こうの山に見える大きな木にはトトロが住んでるかもしれない。トンネルを抜けたら不思議な世界があるかもしれない。と。そんな感じで日本のどこかにあんな町があるかもしれない。と思うんです。