こうだくみ、では抜けないというのが飲み会の場での結論であったが、ある一人の勇者が「俺はカルピスのペットボトルについているながさわまさみのシールで抜いた」と言ったことから話はこんがらがり、遅番の女の子が来ても下卑た男たちの会話はとどまる事はなく、テーブルの上に空の銚子が沢山ころがるようになってからは「軟骨コリッコリ!」としか喋らない壊れた奴も出てきて僕はファイナルファンタジーがしたい、ファイナルファンタジーの続きがしたい、と思っていたが、帰れる雰囲気ではなかった。
大学に入って学んだ数少ない技術である、飲んだ振りして飲んでない、という技術を使って平常心を保っていたが結局みんなはきれいに潰れて、遅番の女の子とタメの男だけが会話をしていた。「世の中の幸せを一つにして再配分するなら俺たちは幸せをさらに享受する立場やんか」「きょうじゅ?」みたいな話だったように思う。ちなみに彼らは僕に話を振ってくれたのだけれど、僕はつくねをハリセンボンにする遊びを頑張っていたので「ファイナルファンタジーがしたい」と答えた。相手はこいつも潰れたな、というリアクションをしたように思う。つまるところファイナルファンタジーがしたかった。
酔ってないと思っていたけれど、酔っていたのだと思う。記憶はおぼろげであり、夢のようでもある。もし夢であったら、程度の低い悪夢と認識したんだろうか。「何故か居酒屋で飲んでるんです。店締めの奴待ってるから帰れないんです。ファイナルファンタジーがしたいんです。つくねに串を刺してます」
教えてフロイト先生って感じではある。そして今もファイナルファンタジーはやっていない。付き合いの競馬で大阪まで来ている。連れは吐きに便所に行って帰ってこない。メインレースはまだ始まらない。ファイナルファンタジーはできるのだろうか。帰ったらやりたいなあと思うけれど、寝そうではある。ディープとかはどうでもいい。勝負レースはもう終わった。複勝かすっただけ。野球は5点差で勝ってるみたい。携帯でこんなに文字を打ったのは初めてだ。文章がきちんとしてない日記だと思う。要約すればファイナルファンタジーがしたい、というだけである。メインレースはまだ始まらない。