人を好きになったことなど、生涯のうち今回含めて2回しかない。ちなみに前回の高校2年のときは玉砕した。*1
みなさんもそんなもんではないか。おれの恋愛は仲良くなって愛をはぐくむパターンしか経験したことがないので、こういう雷が落ちた的恋愛は普通に困るのである。しかも職場内だし。
敵城を攻めるには斥候を出し、堀を埋め、兵站を確保し、援軍を呼び、万全な体制でとりかからなければいけないのはわかっている。わかってはいるのだが、一騎打ちで乗り込み、鉄砲で打たれて死にたい、みたいな感じがものすごくする。凄く楽そうであるもの!10代遡っても百姓と坊主しかいないであろうおれにも、日本武士のメンタリティがあったのを発見してちょっとおもしろい。
これは、壇ノ浦でも、関が原の戦いでも、太平洋戦争でもない。ベトナム戦争なのだ、と意味の分からない呪文を自分に言い聞かせ、とりあえず耐える。相手はとりあえずめちゃくちゃ可愛いのであるが、それは果たして良いことなのだろうか、敵が強大だというだけではないのだろうか。
二十歳もいくつか過ぎて、それなりに人間っぽくなった今の自分が、この体験を通して学んだ最大のことは、「惚れたら負け」という使い古されたフレーズである。だがおれは、本当に、骨の髄から、この言葉を理解したと思っている。

*1:そもそも物事をそんなに好きになったことがなく、おれがたいてい強く思ったものは裏目に出ている。凱旋門ディープインパクトしかり(3位のち失格)、大学受験の広島大学しかり(落ちた)。あーモーニング娘は結構好きだった。思い出せば何個かはある