ジダンの頭突きでもう物語とかは吹っ飛んだ。マルコ・マテラッツィの大会だなんてインターネットを見てると書いてあったが、四年に一度の大会がマテラッツィってのもなんだかである。まあジダンの枠内ヘディングシュートが入っていればジダンの大会であったのだろうし、もっと仮定の話をしたならばロナウジーニョの大会でもありえたのだろうし、リケルメ、メッシ、クローゼなんて名前もあった。まあ仮定なんてどうでもいいか。
しかしジダン赤紙は中田みたいにわかりやすい筋書きが無くて僕は普通に困った。ジズーのラストダンスを目に焼き付けようと思ったらあの頭突き。あきらかにありえないけれど、ジダンは好きだし、でもあんなプレーはどんな経緯があったとしてもいただけない。アンリもリベリージダンヴィエラも下がったレ・ブルーをそれでも応援したけれど、何かの喪失感はいつまでも消えやしなくて。喪失感は何処から来ているのかっていうと、結局、ジダンの事を僕は判りはしなかったってことだと思う。きちんと見ようとしていたのかすらわからない。
負けても決勝まで行って去り行く美しきジズー、決勝で勝利してワールドカップを掲げるジズー。熱いジダンに神様っていうキャラクター上書きして、そんな適当な物語を予想して当てはめて感動しちゃう準備してるなんて、なんかしょーもない観客だよな俺は。
あんな行為なんて認めちゃいけないものだとは思う。まったく美しくなかった引退試合だとも思う。だけれども僕は今までジダンに本当に沢山楽しませてもらったわけだし、今大会も楽しませてもらった。本当にありがとうございました。これからはきちんとものを見て行こうと思う。それが正しい姿勢だよな。
次のワールドカップは4年後。今から楽しみすぎる。