わたしを離さないで

わたしを離さないで

海外の本を読む際には文体というか、そういうのが非常に気になるのですがとても素直に入ってくる文章でした。何もわからなかった冒頭からゆっくりと溶け出していくかのような進行は素直に染み入ってきて、ネタバレになっちゃうから詳しくは書かないけれど、帯に有ったような「心をノックアウトする」という感じではなくて、水滴岩をも穿つじゃあないけれど、緩やかな流れに、読み終えたら何かが溶け去っていた。そういう小説でした。