ユニットバスの換気口は右隣のユニットバスとも繋がっており、左隣のユニットバスとも繋がっている。つまるところうちのアパートもよくあるアパートの換気構造を有しており、俺の居住する三階すべてのユニットバスは、換気ダクトで繋がっているのだ。いや、それはいいんです。ただの説明。
日曜の朝起きて、すがすがしい日差しを浴びて、競馬前にお風呂に入っちゃおー☆と絵文字が付着するぐらいのうきうき気分で風呂に入ることにしたわけだが、浴槽に漬かってみてわかったのが、風呂が臭い。硫黄臭かった。おそらく三階の誰かが俺と同じように朝からうきうき気分で風呂に入り、しかも温泉気分を満喫しちゃおうと硫黄的な物質を風呂に入れているのに違いないわけだが、硫黄入れた本人は温泉気分なのかもしれんが、こちとらゆで卵の腐った臭いにしか感じないわけで、ぬるい風呂をさっさと飛び出して、震えながら京都7レースのパドックを見た。見つつも諸事情により300円分しか賭けられないので、下調べをしているわけもない馬たちの周回を見ていた。別段目が回ることも無く、眠たいわけでもなかったが、どうにも硫黄臭い気がしたので急いで煙草を吸ったらむせるわな、そりゃあ。
競馬が終わって風呂にもう一度入ったら今度は換気口からシャンプーであろうか、フローラルな香りが流れてきたので、女なんて存在をここ一年見たことの無い3階だが、女だ、かわいい女だ、と自分に言い聞かせたら、意外とええ匂いですやん、と普通に感じてしまい、我ながら酷いね、これは。