アッシュベイビーはなんというかまあ結構エグっぽいことも書かれているのだけれど、そこまでのエグみというのは無くて、それはおれに沿った本で無いというわけで、少しばかり吉田しゅういちのパレードっぽいなあとも思ったけれど、ああいうふうにさらっとっぽく書ければすっきり読めて、はい!みたいな感じだけれど、アッシュベイビーはもやもや的な考えうる部分も残った。ま、もやもやが残るのは悪くは決してないが、そのもやもやは多分おれに即していない。
前にテレビで志村(けん)とビート(たけし)が、いかにベタをどう素晴らしく描くのかが技量だみたいなことを話していた記憶があるが、小説もベタに沿った凄い小説ってないのかな。藤沢しゅうへいの時代小説や北方けんぞうの歴史モノだとかもベタだけれどすげーと思う。あと高橋かつひこの東北三部作もベタなんだけれど、読ませるとおもう。現代モノでベタなやつってあるのかなー。くりーむしちゅーベタドラマほどベタじゃあないんだけれど、まずセガールを殺した上で*1、恐ろしくベタに描かれた現代小説読みたい。変に村上はるきっぽい文体じゃあないやつで。

*1:エクゼクティブなんとかという映画で、テロリストに占拠された飛行機がアメリカに突っ込もうとして、それを阻止する側でセガールが出てくるのだが、見ている側はセガールがどうせ全部やっつけちゃうんでしょ。と思っていたら、セガールがすぐ死ぬ