小学生だった時分、人間がした一番凄い発明は?という問いに対して、神様なんていう答えをぶっかました同級生がいたが、随分ませたガキだなと今振り返って思う。そのときの僕の答えはたしか電球という至って平凡な答えであり(エジソンつながり)、その差が国一に通るやつと就職先がぶっつぶれていまさら大学生をやっている違いかと思うが、小学生の僕を弁護するために言っておくと、あのとき僕は反抗期だった。

それにしても神様にそんなこと言って罰でも当たって無きゃあいいと思うが、僕も大して変わりなさそうで。

高校生の時分、付き合っていた女の子が、神様の教えだかなんだかしらねえけれど、結婚するまでセックスできないなんていう子で、そりゃあ神様には負けるわ。なんて苛々としたものだけれど、神様が人間の都合のいいように作られたって具合には思えなくて。思いたくねえだけかもしれないけれど、どっかに居て僕を見てるんであろう。雲の隙間とかから。なんて思っちゃったりするのです。時には少しは都合の良いように使っちゃったりもするのだけれどご愛嬌ということで。

外に出ると空は雲ひとつ無くて満月が光っていて。雲の中にいるらしい神様の住む余地なんて全く無い空だったけれど、それで充分。

満月の夜は何をするんだったけ?ああ確か小船に乗るんであったかな。なんてつぶやきながら、小道を歩く。コンビニは煌々と輝き、さながら灯台のよう。なんて思ってみようとしたところでやっぱりコンビニはあくまでもコンビニで、灯台なんかに喩えるには僕の想像力は貧困すぎて、あるのはいつもの景色。代わり映えの無い景色で。

アスファルトの道をこつこつ歩いて、煙草と酎ハイとイカを買って470円払い、3円のお釣り。