北海道犬の血が混ざった女の子とデートしてきた。といっても相手は幽閉の身、犬小屋の前に座っている隣にお邪魔させてもらってたのだけれど、この犬が可愛くてずっと見ていた。その間おれは何考えてるんだこいつ、と考える。雪が降ったねえ、ちょっと風がさむいねえ、的なことはあまりにも擬人化しすぎか。おれを見てなんぞこれ?と思っていただけか。思い出した程度に尻尾を振り、まあおれが嫌いではないらしいと思ったあたりで、庭のカイズカにメジロが来た。
2羽のメジロは綺麗に歌い、仲がいいんだわ。ああ、カップルなんだねえ。なんて思った。ぴいいって鳴いて枝を移り、チュンチュンやってる。可愛かった。
犬や猫を無闇に擬人化させるさまには虫唾が走るが、メジロの2匹は勝手にカップル扱いに。まったくおれというのは節操がねえなあとちょっとあきれる。犬に煙草吸っていい?と聞くと、洗濯物干していた飼い主が、ダメと。そう、犬は煙草吸っていいですよ、なんて言わない。おれは飼い主に言ったのだ。